秋の彼岸も過ぎ、欅の葉も上のほうから黄いばんできた
今回は、牛川の渡しと改修なった湊町の神明宮が吟行の目的地
夜来の雨も上がり、川の岸辺の草叢はしずくで濡れている
そのあちこちに彼岸花が真っ赤な顔をだしている。遠く、本宮の山が
くっきりと見え、川の両岸は竹藪で埋め尽くされている。視界はみどり一色
ちょうど満潮にあたったか、水面はまさに鏡のごとし。
豊橋の自然十景を選べといわれたら、まず第一にこの景色を推すだろう。
次は、港町の神明宮、改装なった弁天宮へ。島をかこむ池もきれいになり
鯉や亀がきもちよそうに泳いでいた。往時、かの芭蕉さんもこの地を訪れて
いると聞くと、感慨一入である。亀は千年とうyけれど、300年まえの芭蕉さんと
同じ亀かなんて、想像してるまに予定の時間を過ぎていた。
脱ぎ捨てし靴下探す夜の秋 河合 史浩
花葛や跡形もなき養蜂場 深澤 歌子
薮の中所在と炎えてからす瓜 小田実希次
トタン張る舟着小屋に曼珠沙華 河合 澄子
銀杏を一握拾ひかのひとに 森下 全秀
渡し降りそぞろ歩き花の道 林 春美
小鳥来る誰も黙って見ておりぬ 本多 尚子
葛の花草叢おほひ延びにけり 佐々木千代子
引く潮に流れてゆきぬ秋の雲 岩瀬 麦流